「(仮称)えりも町風力発電事業計画段階環境配慮書」に対する環境大臣意見

「(仮称)えりも町風力発電事業に係る計画段階環境配慮書」に対する 「環境大臣意見」が経済産業大臣に提出されました。

環境大臣意見は、主に大規模太陽光や風力発電による、絶滅種や希少生物などに対する影響を回避するよう求めたものが多く、留寿都や宗谷岬の風力発電事業でも、同じような大臣意見が提出されています。
ここ1-2年、頻繁に見かけるようになりました。

「極力回避・低減・見直し」を求めるもので、計画の中止や大規模見直しにつながるものではありません。

下記に大臣意見を簡潔にまとめてみました。
「大規模な自然破壊が懸念されるとき、国の機関がどのような意見を出しているのか」を身近な問題として見定めていきましょう。

原文はこちら→ https://www.env.go.jp/press/files/jp/112357.pdf をご覧ください。

——–まとめ—————————–

「(仮称)えりも町風力発電事業計画段階環境配慮書」に対する環境大臣意見

最大で総出力50万kWの風力発電所を設置するものであり、地球温暖化対策の観点からは望ましい

・想定地域には、絶滅の恐れがある希少な鳥類の生息が確認されている
・特定植物群落コンブ場等が存在する
・国定公園の利用施設計画に位置付けられた眺望点が複数存在する
・これまで国内では例が少ない大規模な陸上風力発電事業である
・自然環境への重大な影響が懸念される
・長距離の送電線の整備も必要となる
・既に他事業者の風力発電もある

以上の点から以下の措置を適切に講じられ、方法書以降の図書に適切に記載されたい

《総 論》
1事業実施区域の設定
環境影響の重大性を整理し反映させること

2事業計画の見直し
事業による重大な影響等を回避または十分に低減できない場合は
配置の再検討・区域の見直し・基数の削減を含む大幅な見直しを行うこと

3環境保全の検討
回避・低減を優先すること
代償措置を優先しないこと

4関係機関・住民への説明
関係機関と調整し、住民に対して説明すること

《各 論》
(1)騒音による影響
多くの住居や学校が点在している事により、工事中及び稼働中の騒音による生活環境への影響を回避または低減すること

(2)風車の影による影響
住宅等への調査を行い、生活環境への影響を回避または低減すること

(3)水環境及び水生生物に対する影響
コンブ場が存在しているので、水環境への影響が懸念される
土工量を抑制し、土砂や濁水の流出を最小限に抑えること

(4)鳥類に対する影響
希少種への衝突事故など、重大な影響を回避または低減すること
特にシマフクロウについて生息への影響が懸念される範囲を事業区域から除外すること

(5)植物および生態系に関する影響
特定植物群落に選定された植生、森林法で指定された保安林が存在することから
植物や生態系への影響を回避、または極力低減すること

(6)景観に対する影響
日高山脈襟裳国定公園の景観資源が存在する事から、景観への影響を回避・極力低減すること
フォトモンタージュを作成し、監理者・関係者・住民の意見を踏まえること

————ここまで—————————

ご覧いただいた通り、希少種や生態系への被害、住民の健康や生活への影響を「回避・極力低減」と書くことだけで片づけています。
「極力低減」した結果、希少種が絶滅したり、住民に健康被害が出た場合のことは全く考えられていません。

大臣意見のほか、北海道環境影響評価審議会の答申を経て、次の段階である準備書の作成が行われます。
しかし、以下のことから計画が大きく変更になる可能性は低いと思われます。

・回避・低減の具体的指標(数値)を示さないと意見として役に立たない
・大規模風力発電による影響を低減できたとしても、根本的に環境負荷や住民への負担をなくすことにはならず、影響は避ける事ができない。
・えりも町では他に2つの事業が進められている事から、他の事業も含め総合的な影響評価が重要であり、単事業での影響だけでは問題を根本的に回避できるとは思えない。

環境大臣から出る意見であれば、環境や国民の生活の事を第一に考えたものであって欲しいです。

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